丸々3年を香港で過ごし、帰国するにあたって。

結論から言えば、香港という国を心から好きにはなれなかった。国の発展具合と比較して、彼らの民度はあまりにも低いです。はっきり言って。事例をあげると、うんざりするので書きませんが。

でも、この歳で新しい言語を学べたというはとても良かったし、人間は必要に迫られると嫌でも覚えるものだと、実感できました。私が勤めていたような中小企業が採用するローカルスタッフは、日本語はおろか英語すらままならない人が多いため、必然的に広東語を学ばざるを得ず、そのおかげでローカルスタッフと冗談を言いあう程度にはなりました。日系企業のなかには専属日本語通訳付きという羨ましい待遇で、完全に日本語オンリーで仕事をして『私、全くしゃべれないんですよ。エヘヘ。』なんていう、さすがにそれはちょっとどうなの?という方もいらっしゃいましたので、まあ、言語習得できたのはやっぱり良かったなと。(反面、休暇で帰国しても観光に来ている香港人の会話が聞こえてきてうんざりすることもしばしば、ということになるのだけど。)

来港して1年くらい経った頃、当然語彙はまだまだ不足しているのだけど、広東語に対して耳が感じていた、外国語としての違和感が何故か無くなってスッと、本当にスッと自然に耳に入っていく瞬間というのがあって、それは初めての経験でとても驚いたし、ちょっと興奮してテンションが上がったのを良く覚えています。それ以降、聞こえる音から漢字を当てはめて何を言っているのか判断したり、いわゆる『文脈から判断』ということも出来るようになりました。特に聞こえる音から漢字を類推して当てはめるというのは、漢字の素養がある日本人ならではで、欧米の方にはできないことですね。ちょっとしたパズルのようで楽しかったです。

トータルで考えればとても有益な3年間だったし、機会を与えてくれた会社に感謝です。なかば無理矢理連れてくるような格好となった妻も、友人が多数出来てエンジョイしてくれたのには救われたし、彼女の支えがあってこその3年間。
駐在でなく、プライベートでもう一度旅行に来るかと言われれば、微妙。10年後くらいに来て懐かしむというのも無くは無いけど、その金があれば他の国に行きたいという感じだったりします。
帰国・退社後は某有名巨大音楽フェスが行われる雪深い某県に引っ込むので、いい加減にそろそろ初体験してみようかと思っている次第。

というわけで明日帰国します。